1-1-6-6 厚さ・長さ・幅計

 厚さ計には、測定原理から分類すると放射線式、超音波式、静電容量式、赤外線式、レーザ式、渦電流式、および差動変圧器式等各種のものがある。

  1. 放射線式厚さ計
     線源から放射される放射線が、測定物質を透過するとき、測定対象の厚さに応じて透過線量が減衰する性質を利用した透過方式と、散乱量が変化する性質を利用した散乱方式とがある。放射線としては、X線や放射線同位元素が使用されている。放射線式厚さ計は、鋼板、アルミ、メッキ、フィルムおよび紙等の製造、検査ラインで、最も多く使用されており、省資源、品質管理および自動化等に不可欠になっている。

    放射線式厚さ計(透過形)の構成例

    放射線式厚さ計(蛍光X線形)の構成例

  2. 超音波式厚さ計
     超音波トランスデューサを試料の片面に密着させて超音波を送り込み、試料中を伝播した超音波が、試料の底面で反射して、ふたたびトランスデューサにおいて受信されるまでに要する時間を測定して厚さを求めるものである。
  3. 赤外線式厚さ計
     透明な測定物を、連続的に光学的検出法で測定する厚さ計で、測定物を透過するとき衰退する波長と、そのまま透過する波長との2つの波長を用い、それぞれの透過強度の関係から、厚さを求める方式である。

    赤外線式厚さ計(反射形)の構成例

  4. その他の厚さ計
     金属板上に塗布または積層された誘電体の厚さを接触式で、また非金属等の誘電体の厚さを非接触で測定する静電容量式の厚さ計、建材ボード、合板、鋼板、プラスチック等の厚さを測定する差動変圧器式のもの等もある。
  5. 幅計
     光電式のものを紹介する。光電式幅計は光源と検出器(CCDカメラなど)を設置し、物体が光をさえぎることによる光の変化を測定し非接触方式により、幅を求めるものである。
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