1-1-4 レベル計

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1.はしがき

 

 プロセスの自動化,大型化が進むにつれて,レベルの測定・制御の必要性が増大し,応用分野の拡大とともに機器がますます多様化しており,いまやプロセス工業において温度・圧力・流量等と並んで最も重要な測定量の1つといわれるようになった.

 レベルの測定は,タンク内のレベルをオン・オフ制御する場合,在庫管理やバッチ運転等の目的でレベル変化を正確に測定する場合,連続プロセスにおけるレベル制御,さらに貯水池,井戸の水位の測定や排水溝中の水位を測定して流量演算する場合等,いろいろな目的をもっている.これら,測定対象の高さの変化,またはその高さと基準面との高さの差を検出して,レベルの管理・検出に用いる機器をレベル計あるいは液位計と呼び,測定対象が液体の場合はもちろん,粉・粒体に対しても使用される.

 レベルの測定方法は非常に多くの種類があり,実際に測定する場合には,測定範囲・測定精度・取付位置・測定対象の性質と状態・タンクの種類・タンク内の条件・レベルの変化速度・伝送信号および安全性等を考慮して機器を選定する必要がある.

 なお本編では,プロセスの自動化に最も多く使われる機器を中心に技術解説をまとめた関係上,タンク内に直接スケールを挿入して液体や粉体のレベルを測定したり,タンク内の液体を透明な管で外部に導き出してスケールで読みとる方法等については記載していない.

 記載機器の分野は次のとおりであるが,これに関して簡単な説明を行う.

 まず最初に,原理的に異なる差圧式,ディスプレースメント式,フロート式,さらに静電容量式,放射線式,超音波式およびマイクロウェーブ式を独立項目で分類している.このうち,前三者は測定対象がほとんど液体の場合に使用されるので液位計の名を付し,後四者は液体及び粉・粒体に対して使用されるのでレベル計の名を付している.

 なお,差圧式レベル計は,通常,ブルドン管式圧力計,気泡式,U字管式,ダイアフラム式等による測定の方法をまとめて解説した書物が多いが,ここでは応用面の特徴を重視し,気泡式とダイアフラム式を独立した項目として扱っている.

 本章では,レベル計を次のように分類してある.

 1.4.1 差圧式レベル計
 1.4.2 気泡式レベル計
 1.4.3 ダイアフラム式レベル計
 1.4.4 ディスプレースメント式レベル計
 1.4.5 フロート式レベル計
 1.4.6 静電容量式レベル計
 1.4.7 放射線式レベル計
 1.4.8 超音波式レベル計
 1.4.9 マイクロウェーブ式レベル計
 1.4.10 その他のレベル計

 以下,原理,構造および特徴について簡単に述べる.

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