2-1-9 光・カラーセンサ

 可視光領域の光を計測するセンサである。画像を捉えるセンサは10節の画像センサを参照のこと。

9.1 カラーセンサ

 人間の感じる色とは、物体の反射光を、赤・緑・青(RGB)に対してそれぞれ感度の高い3つの感覚組織で刺激として受け、それらの刺激値を脳内で演算した結果の感覚である。FA用カラーセンサも基本的にはこの考え方にたっており、主に以下の3方式によるセンサが使用される。

  1. 白色ランプを光源とし、検出物体の反射光をRGBカラーセンサ素子で受光、その3出力を演算する方式。
  2. 白色ランプを光源とし、検出物体の反射光を可視領域内にて細かく波長分割された数10個のセンサ素子で受光、これらの出力を演算する方式。
  3. R、G、Bの3LEDを検出物体に照射し、それぞれの反射光の比率の違いを演算する方式。

 このうち(1)、(2)については画像認識装置に色認識部を付加して色判別を行うケースもある。近年高輝度の青色LEDが実用化されたことに伴い、(3)方式による商品が各社より発売されてきている。これらのカラーセンサは、塗布色の不良判別、製造ライン中での同一形状・異色物体の混入検知、メッキ色判別などに用いられる。

9.2 光沢度センサ

 光沢度の測定方法はJISなどで定められており、所定の広がりをもった光を試料に照射し、鏡面反射方向に反射する所定の開き角内の光量を測定、試料における光量と基準ガラス表面における光量との比率を試料の光沢度として定義する。一般に市販されている光沢度計もこの方式を使用している。より簡易的に光沢の有無を判別するセンサとして、主に以下の2方式によるセンサが使用されている。

  1. 検出物体に光を照射し、物体の光沢度によって受光部エリア内での反射光の分布状況が異なることを利用して、その分布状況を演算することにより光沢の違いを検出する方式。
  2. 検出物体に偏向方向のそろった光を照射し、物体の光沢度によって反射光の偏向の乱れぐあいが異なることを利用して、偏向成分比を演算することにより光沢の違いを検出する方式。

 これらの光沢センサは、主に透明フィルム・透明ラベルの有無判別、グリス塗布の不良判別などに使用される。

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