1-4-5 伝送システム

 従来より、工業計装における通信機能については、遠隔地の計測や制御のためのいわゆるテレメータ装置が従来より使用されている。それは通信工業の分野に属する汎用的なテレメータ装置の応用分野のひとつであった。その後、計装の広域化や集中監視、制御が進むとともに、工業計器と同じ思想で同一の信頼性をもつシステム製品としての要求から、工業計装のラインアップとしてシステム製品化されている。

 単に遠隔というだけではなく、計測点の増加と年々高騰する人件費とによって、投資に占める割合が増加する計装工事費を削減する方法としての新しい伝送手段の開発がある。実際には、ディジタル技術の導入による。その本来の時分割多重化性を伝送にまで拡大したタイムシェアリング伝送路等である。

 近年、Web技術を使ったユビキタスシステムが製品化されている。ADSLや光ファイバーによる常時接続環境が整ってきたことや、無線LAN、携帯電話などの無線データ通信の普及により、どこにいても情報を得ることができるユキピタス情報社会が実現されつつあり、発電所や上下水道などの社会インフラの設備・機器や、工場の設備・機器をインターネットなどの公衆回線を介して計測・監視するサービスに使われている。

(注)
 ユビキタス(ubiquitous);ユビキタスの語源はラテン語で、いたるところに存在する(遍在)という意味。インターネットなどの情報ネットワークに、いつでも、どこからでもアクセスできる環境を指し、ユビキタスが普及すると、場所にとらわれない働き方や娯楽が実現出来るようになる。ユビキタス・コンピューティングは、メインフレーム(複数で一台を使用)、PC(一人一台)、に続く、一人が複数のコンピュータを使う第3世代を示したもので、マーク・ワイザー氏が提唱した。(出典:サイバービジネスの法則集)

 伝送システムには使用している回線により、下記に分類される。

  1. 電話回線方式
  2. インターネット方式
  3. 専用線方式M&C
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