1-1-2-5 容積流量計

 PDメータ(Positive Displacement Meter)とも呼ばれ,オーバル歯車式やルーツ式が代表的なものである。

 流れに伴って回転する回転子あるいは往復する運動子と,これら回転子,運動子を収納するケーシングとの間に生じる空隙(計量室)に連続的に流体を取り込み,送り出し,回転子や運動子の運動回数を数えて流量を求めるものである。図1.2.6はその原理図である。

回転子形容積流量計の原理図(オーバル歯車形とルーツ形)

                (A)オーバル歯車形    (B)ルーツ形

                   図1.2.6 回転子形容積流量計の原理図

 容積流量計には,回転子や運動子の形状等により多くの種類がある。オーバル歯車式やルーツ式のほかに,小流量を高精度で測ることのできる往復ピストン式,比較的小型で大きな容量が得られる旋回ピストン式やディスク式等がある。
 容積流量計は,低粘度の液体に対しては若干測定流量範囲の制限が生じるが,一般に高い精度での測定が可能であり,広く用いられている.特に石油類(ガソリン,灯油,重油等)では±0.2%で計量ができ,取引用として多数使用されている。また各種化学液体にも広く適用されている。さらに,信号変換部にマイクロプロセッサを搭載し,精度±0.1%を実現したタイプもある。
 ただ,液体中に規定以上の固形物等が含まれる場合(一般にはストレーナで取り去る処理をするが),その固形物の性状如何では,回転子,運動子が動かなくなる恐れがあり,流体の停止が問題となる。使用する場合はメーカと十分な打ち合わせをすることが必要である。
 流量を表示する計数部は機械式が主であるが,マイクロプロセッサを搭載し,モード切換により累積積算,瞬時流量をLCD表示し,外部出力もパルス信号とアナログ信号の2系統を同時に出力できるタイプもある。

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