3-8 レコーダ

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 レコーダは、測定量の変化の様子を測定し、記録紙上にデータを残したり、記録メディアにデータを保存するための測定器である。
 測定対象は、電圧、電流、ひずみ、振動などの高速信号から圧力、温度のような低速変動までざまざまであり、記録データより機器トラブル、異常現象の解決又は物質の特性などを読みとることができる。

1 サーマルドットアレイ式記録計

1.1 基本構成

 サーマルドットアレイ式記録計の基本構成を図 1 に示す。電圧又は測定対象を電圧変換した信号がアンプに入力され、A/D 変換器を通してディジタルデータに変換される。ディジタルデータは DMA を介してメモリに蓄えられ、CPU によりサーマルドットアレイプリンタに出力される。また、プリンタ出力だけではなく、表示装置にも波形を出力できる。

1.2 サーマルドットアレイプリンタ

 サーマルドットアレイプリンタの基本構造は、発熱体が横一列に配置(例 8 ドット/mm )されたプリンタヘッド部と感熱紙を送るプラテンローラとからなる(図 2 参照)。

 メモリに記録されたデータを出力する場合、電圧軸方向をプリンタヘッドに、時間軸方向をプラテンローラ速度にすれば波形として出力できる。記録紙の送り速度は 20 mm/s 程度が一般的であるが、100 mm/s と高速に送れるものもある。送り速度はプラテンローラを回転させるモータ能力の他に、プリンタヘッドの発熱体の能力および記録紙の感応能力にも左右される。なお、プリンタヘッドの長さを変えることにより最大印字幅が決まり、用途および記録チャネル数により各種用意されている。

1.3 メモリ機能

 測定と同時に印字していくリアルタイム記録のほかに、メモリにデータを蓄えるという特長から、必要な部分だけを記録紙に印字することも可能であり、感熱紙のランニングコストを抑えることができる。また、プリンタの印字速度以上の記録速度でデータを記録することも可能で、記録終了後に印字することも可能である。さらに、外部記憶メディアにデータを送ることにより、データの保存性はもちろん、パソコンによる各種演算、解析が可能となる。

1.4 他のレコーダとの比較

1.4.1 周波数応答

 サーマルドットアレイ式記録計は、他(自動平衡形記録計など)のレコーダに比べその構造上周波数応答が高く、数十 MHz 程度の高速現象の記録が可能である。(ただし、記録紙には印字せずに内部メモリに記録)各分野別の信号波形の周波数と対応測定器を図 3 に示す。

1.4.2 絶縁

 より高速現象を捕らえるためにはオシロスコープが優位であるが、オシロスコープのチャネル間の GND が共通であるため、測定回路において GND に電位差があるところでの測定や強・弱電が混在するメカトロ制御回路等の測定では回路間の短絡、並びに地絡といった事故を引き起こす危険性がある(チャネル間が絶縁されているオシロスコープもある。)。

 しかし、ほとんどのサーマルドットアレイ式記録計は入力チャネル間が絶縁されているため、商用電源の交流波形を観察しつつ直流の制御系の測定が可能である。

2 ペーパーレスレコーダ

 従来のレコーダは、記録紙への記録が中心であったが、以下の観点から記録紙が必要とする分野が減ってきたため、並びに昨今の表示装置、記憶装置のめざましい技術発展から記録紙の無いレコーダが誕生し、これをペーパーレスレコーダという。

a)すべて紙に記録しても本当に必要な記録データは一部分だけ。

b)パソコンの普及により報告書も電子化されてきている。

c)記録紙のランニングコスト、保管スペースの削減。

d)記録紙、ペン、リボン等のメンテナンス品交換時間の削減。

e)環境保護の観点から紙の消費量を減らすことが重要。

参考文献

1)メモリハイコーダ入門、本の風景社
2)メモリレコーダの基礎と概要 TechEyesOnline 第一回第二回*1第三回*1 (*1;閲覧のためにはTechEyesOnline会員登録が必要となります)
3)記録計・データロガーの基礎と概要 TechEyesOnline 第一回第二回*1第三回*1 (*1;閲覧のためにはTechEyesOnline会員登録が必要となります)

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