1-2-3 補助機器類

 電子式のものと空気式のものがあり、種々の名称がつけられているが機能的には、類似のものが多い。次に主なものをあげる。

3.1 積算計:

 量の大きさの時間的積分値(積分値)を指示する計器で、工業計測では流量積算が主体である。流量発信器の連続信号(電気または空気)あるいはパルス信号を受け、電子回路や空気式の力平衡機構などを通して積算値を数字表示するようになっている。

3.2 演算器:

 調節計などの前後段階で信号の加減、乗除、開平、補正、および信号の反転、選択、制限等の演算を必要とすることが多々ある。これらの演算処理は調節計などの内部で行えるものもあるが、演算部分だけを機能別に個別にまとめる方がシステム構成上有利な場合に使用するものである。

3.3 設定器:

 調節計と組み合せて入力に比率演算を行い比率制御を行う比率設定器、異常状態を検出し警報を発する警報設定器等がある。警報設定は指示計、記録計、調節計でも可能であるが、それらとは別に警報設定器をおき、並列冗長で信頼度を高めるために使われることがある。

3.4 操作器:

 調節計と組み合せて使用されるもので、プラントの手動運転をするため、手動操作で出力信号を変化させることができる。

3.5 変換器:

 信号の大きさや種類の変換、増幅を行うもので、発信器側におかれることもあるが、場合によって受信器側におかれることもある、また信号相互の絶縁を目的とするものもある。

3.6 ディストリビュータ:

 電子式計装ループで電源を供給したり、電流信号を電圧信号に変換し各計器へ配分したりする機能をもつものがディストリビュータと呼ばれる。変換器や演算器の中に内蔵されていることもある。

3.7 安全保持器(ツェナバリア):

 安全保持器は、電子式計装システムにおいて、防爆上本質安全計装システムを構成する場合に必要な機器で、非危険場所に設置され、非危険場所に設置された受信計から、危険場所に設置されたフィールド計器への接続回路を通じて、点火のおそれのある電気エネルギーが流出するのを防ぐ働きをするものである。

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