1-2-1 指示計・記録計

 指示計・記録計は電気式・電子式・空気式に大別してある。

1.1 電気式計器

 電気式計器は、最も古くから存在する計器で、大部分は永久磁石のつくる磁界の中に可動コイルをおき、コイルに流れる電流と磁界の作用による電磁力と制御トルクを平衡させ指針を駆動するもので、可動コイル形計器といわれている。基本的に他から補助的エネルギー供給を受けないで動作する(直動式ともいう)ので便利であるが、反面、可動コイルに電流を流す必要があり、その電流は発信器から取り出さねばならないので、通常、電流の大きさは限られてしまう。

 また、4~20mA DCの統一信号のような比較的大きな電流を受信する場合でも消費できる電力は限られるので、後述する自動平衡計器に比較し、駆動力が小さく、精度などの点で劣る。これらの欠点を補うため、電子式と電気式の混成計器として、入力量を電子回路で増幅し直動式の電気式計器に加えるものもある。これも電気式指示計の分類とした。

1.2 電子式計器

 電気式指示計にマイクロプロセッサを搭載したものは電子式計器とした。電子式計器のなかで自動平衡形計器は、入力量に見合う大きさの電気量を計器内で発生させ両者が等しくなるようサーボ機構で平衡をとるのものである。計器の駆動力は補助電源から得るので発信器に負担をかけずに大きな駆動力が得られるので精度がよくできることなどから工業用の指示記録計として広く使用されている。

 また、LEDやLCDなどの個体表示素子が普及し、これらを使用した電子式指示計も数多くみられる。さらにマイクロプロセッサ、専用ICの普及にともなって、ディジタル指示・記録を行う計器が増加している。特に指示計では指示の読み取りが正確で早いことからディジタル方式の使用が増加しており、記録計にもディジタル記録を行うものがある。しかし、アナログ方式やディジタル方式には一長一短があり、読みとりの正確さを目的とするのか、傾向とか相関関係を早く知ることを目的とするのかなどによって使い分けする必要がある。現在では、アナログ記録とディジタル表示記録の両方をもったハイブリッドタイプのインテリジェント記録計が主流になってきている。これはマイクロプロセッサにより、データロギング機能、ホストコンピュータとの通信機能など、多機能化されている。

 また、近年インクや記録紙を使用しないという省資源・環境負荷低減の観点と、パソコンでのデータ解析や処理の容易性から、従来の記録計とは技術的に異なるペーパーレスレコーダが商品化されている。機能的には記録紙に記録していたデータを、液晶表示器などに表示すると同時にフロッピーディスク、メモリカードなどの記憶媒体へ保存する。数百MBの記憶媒体を使用可能な機種もあり、保存されたデータは市販のアプリケーションソフトでも解析が可能である。従来品に対するメリットとしては、インクや記録紙の交換などの日常保守、定期的なメンテナンス、記録紙の保管などから解放されるという点がある。

1.3 空気式計器

 空気式計器には直動式の偏位形とフィードバック式の偏位平衡形、力平衡形がある。偏位形はベローズなどに加わる空気圧とスプリングの力のバランスをとるものである。空気信号は大きなパワーをもっているので、電気式と異なり直動式でも駆動力は大きい。偏位平衡式と力平衡式はサーボ形であり、前者は変位でフィードバックを行い入力による変位と平衡させるもの、後者は入力により発生する力と平衡する力を発生するもので、いずれも計器の前向き回路に用いられる部品の特性を補償して入出力の間に正確な比例関係をつくるので、高い精度がえられる。

 上記の3方式とも、アナログ指示計では指針や色つきベルト(スクリーン)を移動する形で指示するが、指針等が縦か横に直線で動くものが多い。記録計は、工業用としてはインクと記録紙によるものが大部分でペン計はカセット式、打点計はプリンタ式のものが多い。なお、指示・記録計とも警報機能を有することが多いが、指針等の動きを機械的あるいは電気・電子的にとらえるものの他、純電子的に入力値と警報設定値を比較し、警報を発生する回路を組み込んだものもある。

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