4-3 電子応用計測システム

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はしがき

 電子応用計測システムとは、第1編の電子式物理量計測器または、第2編の電子式感覚量計測器の技術(センシング技術、あるいは1次処理技術)を応用して、コンピュータなどを中心とした計測システムを指す。

 そもそも電気計測器の利用分野は

{R&D
 LA
 FA
 PA
 品質検査・設備診断
 医用・放射線機器
 環境計測}

など、多方面にわたっているが、物理量計測はそれらの基盤技術として、広く利用されている。その中で今回は、R&D、LA、品質検査、設備診断などを中心に取り上げる。

 計測器を利用する側の産業界を中心に考えると、現在のグローバル化した競争社会の中で、より高品質でかつ低価格な商品という切り口は当然のこと、多様な顧客のニーズに応える商品が求められてきている。そのために、計測システムに求められる要件も、高機能、低価格だけでなく、多機能、柔軟性、拡張性など、既存の計測器ではなかなか困難な要求が多くなりつつある。このような要求に応えるために、コンピュータ(特に、パーソナルコンピュータ)を中心としたアプリケーションオリエンテッドなシステムが普及しつつある。コンピュータを使用することにより、計測作業全体の制御やデータ処理を一括管理することが可能となる。

 また、中には計測機能以外の各種の自動化装置とも一体化して、装置全体の規模が大型化し、もはや安易に計測器とは呼び難いと思われる物もある。必ずしも定義は明確ではないが、(一社)日本電気計測器工業会ではその様な電子応用計測機器を「電子応用計測システム」と呼んで区別して分類している。本ガイドブックの第3編では、その様な計測制御機器システムを対象に解説・紹介をする。

 本編では、各産業分野でどのようなアプリケーションシステムがあるかを中心に纏め、以下の品目に分類している。

 3.1 電子・電気関連
 3.2 機械関連
 3.3 化学・素材関連
 3.4 運輸関連
 3.5 建設関連
 3.6 繊維・食品・医療関連
 3.7 第1次産業関連
 3.8 第3次産業関連

 以下、各品目毎に概説する。

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