4-2 電子式感覚量計測器

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はしがき

 近年、人の感覚すなわち、五感及びそれらの複合された量や情報を測定する計測器に対するニーズが高くなってきており、センサーフュージョン(感覚融合)という技術の研究も盛んに行われている。人間の感覚は人によって異なり、またその時の人の状態によって影響されるため、一定の基準のもとに評価できる計測器のニーズは根強いものがある。しかしながら、この分野は技術的にはまだまだ未成熟な分野であり、視覚や聴覚に代わる測定器では照度計、色彩計、騒音計等ある程度実用に共されているものがあるが、味覚や嗅覚の分野ではあまり活用されておらず、今後の発展が望まれている。

 本編では、この新しい分野向けに開発された製品を感覚の種類毎に紹介しているが、感覚量計測に対するニーズの高まりの割には技術上、コスト上の問題から製品化された計測器は必ずしも多くなく、特に味やにおいの分野においては製品の種類が少なく、用途も限定されたものとなっているのが現状である。このような状況から、今回のガイドブックに掲載されている機種は限られたものとなっているが、最近の研究開発動向を見ると、味やにおいに関する研究が盛んに行われており、今後この分野の計測器も充実してくるものと思われる。

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