放射線計測委員会 最新技術動向紹介

放射線計測委員会 最新技術動向紹介

放射線計測委員会では、毎月の会合にて会員各社による最新技術動向紹介を行っています。紹介された技術動向のテーマと概要を以下に示します。さらに詳しくお知りになりたい方は、当委員会事務局までご連絡ください。(最終更新日:2020年12月14日)

テーマ インターベンション術者向けリアルタイム個人線量測定システム
概 要 ICRPが白内障のしきい線量を引き下げる勧告を出すなど、インターベンション術者の放射線防護への意識が高まっている。個人線量計と専用モニタにより、術中の医療従事者が被ばくしている線量率をリアルタイムに表示することで、被ばく量と防護措置の最適化を行う。また、記録したデータを分析・可視化し、新人スタッフや継続的な放射線防護に関する教育や啓蒙に使用することで、不必要な被ばくのリスク低減効果を狙う。

テーマ モンテカルロシミュレーションの放射線モニタの装置設計への適用
概 要

放射線モニタの設計を効率的に実施するための手法として、放射線モンテカルロ計算コードを用いた放射線モニタの応答評価手法を紹介した。
本手法を用いてシンプルな構造の放射性希ガスモニタの応答性のシミュレーションを行い、放射性希ガスを実測した値と比較した結果、良く一致した。
本技術を適用することで非密封の放射性物質を用いた性能評価試験を実施することなく、放射線モニタの構造の設計を評価することができる。

テーマ 車両汚染検査モニタ
概 要

大型車両の表面汚染を自動で検査する装置を開発した。車両を囲うゲートにβ線検出器を備え、検出器と車両表面の距離を一定に保ちながら走査させ表面汚染検査を行うものであり、ダンプトラック1台あたり4分程度での検査が可能である。これにより、車両表面汚染を確実かつ迅速に検査することができる。主な用途は、除染廃棄物の運搬後に処理区域から退出するダンプトラックの汚染検査である。

テーマ 電池塗工厚オンライン測定用厚さ計
概 要

近年、電気自動車、ハイブリッド車による低炭素化の促進、そして再生可能エネルギーへの関心の高まりとともに二次電池の需要が大幅に高まっている。
二次電池の品質において、電極材料の塗工量の測定はきわめて重要であり、塗工量を均一にすることが、電池の性能向上の視点でも、安全性の向上の視点でも重要である。
塗工量は、放射線方式により測定された塗工前後の坪量の差分から求められる。
このシステムでは塗工前後に設置されたフレーム間の通信速度を向上させ、塗工前後の坪量測定の位置を一致させる同期測定により、塗工量の測定精度をさらに高めている。それにより電池の性能と安全性を高めることができ、二次電池の用途の拡大に貢献している。

テーマ 爆発物探知装置
概 要

ウォークスルー型の爆発物探知装置を開発した。
装置に差し込んだIDカードに空気を噴射し、付着している微粒子を回収・濃縮して質量分析器により検知するものであり、1時間あたり約1,200人の検査が可能である。
これにより、爆発物探知を短時間で行うことができるため、高いセキュリティを必要とするさまざまな分野への適用が可能である。

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