5.1.2 線源容器の遮蔽能力

 線源は、そのまま使用すると被ばく線量が大きくなるため、使用目的に合う線源容器に収納して使用する。測定時はシャッタを開き必要な方向のみ照射し、他の方向には漏えい線量が小さくなるように、鉛または鉄等で遮蔽する。
 放射線応用計測器による線量の一例としてレベル計の場合について計算してみる。レベル計の、シャッタ操作は、ほとんどの場合、手動操作である。
 1週当り1回のシャッタ操作を行なうとして線量を計算してみる。線源から1mの漏えい線量を2.6μSv/hとし、0.5mの位置から操作し、1回の操作に30秒かかったとすると、
2.6μSv/h×(1m/0.5m)2×(30sec/回)×(1回/週)/(3600sec/h)×(52週/年)=4.5μSv/年
となり、1年で約5μSv程度の被ばくになる。この値は、放射線業務従事者線量限度(5年で100mSv)の年平均20mSvの約1/4000に相当する。
 厚さ計は、鉄板製造の圧延ライン、紙製造の抄紙ラインおよびフィルム製造の延伸ライン等に設置して使用するため、運転員との距離が大きく放射線被ばくはほとんどない。また、シャッタ操作は遠隔で操作するため、被ばくすることはない。
 このように、工業計器で使用している放射線応用計測器は、通常の使用状態では、被ばくのおそれはない。保守等で機器のそばに立ち入る場合は、シャッタが閉じていることを確認し、「遮蔽、時間、距離」の放射線防護の3原則を守り、作業する必要がある。