放射線計測ガイド
- 1.放射線計測器の生い立ちと変遷
- 2.放射線計測の基礎
- 3.放射線モニタ
- 4.放射線応用計測器
- 5.放射線源と放射性輪送物
- 6.放射線応用計測器の更新手続き
- 7.表示付認証機器の設計認証申請・販売・使用等マニュアル
- 8.簡易的な環境放射線測定に関するガイドライン
- 9.放射線測定機器の性能チェックシート【改訂1】

4.2.4 中性子水分計
熱中性子の数は被測定物中の水素の数にほぼ比例し、この時の被測定物に対する有効な測定範囲は半径300~500mmとなる。中性子水分計の測定方式は、図4.2.4‐1に示すように表面形と挿入形の2種類があり、使用される線源は241Am-Beの中性子源が用いられ、検出器はBF3比例計数管を使用している。挿入形中性子水分計は、被測定物の粒子形状が小さい粉コークスや焼結原料等の水分測定に、表面形中性子水分計は、粒子形状が大きい塊コークス等の測定に適している。一方、挿入形中性子水分計は表面形中性子水分計より、線源量が小さいのが特徴である。
BF3比例計数管を用いた中性子水分計の基本的な構成を図4.2.4‐2に示す。熱中性子を検するBF3比例計数管、パルス信号を増幅し伝送するプリアンプ、雑音的なパルスを除去する波高選別回路(ディスクリミネータ)、単位時間当たりの計数を表示する計数率回路(スケーラ)、検出器からの入力に相当するパルスを発生する模擬入力回路、電圧電流に変換するV-I変換回路、BF3比例計数管に高電圧を供給する高電圧回路、各モジュールに電圧を供給する電源回路より構成されている。
使用例には次のようなものがある。
- 鉱石、焼結原料、粉コークス、塊コークス等の水分測定 ・・・・・・ 鉄鋼業
- 砂、コンクリート中の水分測定 ・・・・・・ 土木工事

