3.2.4 水モニタ

 水モニタは原子力施設等から排出される排液中の放射能を連続的に測定,監視する。水モニタは、ガスモニタと比較すると測定対象が液体であり、空気に比べて密度が大きいので、自己吸収を考慮する必要がある。α線や低エネルギーのβ線の場合には放射線の飛程がざらに短くなり、検出器やサンプラの構造を考慮する必要がある。
 また水モニタにおいては、長時間使用すると検出部が放射性物質により汚染され、バックグラウンドが高くなるため、検出部の除染が容易な構造にすることが必要となる。
(1) 検出部の方式
 水モニタを設置する目的および設置場所により、図3.2.4に示すような各種の方式がある。
1) 液浸式
 この方式は、測定する貯水槽や排水口などの液体中に検出器を直接浸して放射能を検出するものである。もっとも簡単な取り付け方法で、水位が一定な貯水槽の放射能測定に適す。
2) サンプリング方式
 この方式は、測定する液体をポンプにより鉛シールドを施した水サンプラに集め、液体中の放射能を検出するものである。検出器との相対位置を自由に選べるため、α線や低エネルギーのβ線の測定にも使用される。長時間の使用における放射能汚染の防止方法として、超音波洗浄器等の使用による定期的な除染により、バックグラウンドの上昇を押さえることが可能である。また測定点が多い場合には、水サンプラの前に切換装置を取り付け、1台のサンプラで多点測定も可能である。
3) ウェル式
 放射線取扱施設内において、放射能濃度を迅速に測定・監視する必要がある場合に、発生源近傍の排水管や貯水ポットに検出器取付用のウェルを設けて測定する方法である。検出器取付位置には、外部γ線からの影響を除くため鉛シールドを施す。さらに測定条件を一定とするため、ウェルを流れる流量を一定に保つ必要がある。
図3.2.4 水モニタ検出部の方式
(2) 測定方式
 排水のモニタリングは排気のモニタリング同様、原子力施設からの最終放出端のモニタリングとして重要である。検出感度の高い方法としては、試料を蒸発乾固して測定し濃度を求める方法がある。定置式モニタとして連続モニタリングする場合には、前項の方法で放射能の検出を行い、使用する検出器は下記のように選択する。
  1.  β(γ)線用:GM計数管またはプラスチックシンチレーション検出器
  2.  γ線用:NaI(Tl)シンチレーション検出器
  3.  α線用:ZnS(Ag)シンチレーション検出器
 測定対象がγ線の場合には、NaI(Tl)シンチレーション検出器と波高分析器を組み合せて、エネルギー範囲の設定が可能である。