2.2.3 比例計数管

 電離箱のバイアス電圧を徐々に上昇させていくと、電界で加速された電子が内部の中性ガスを新たに電離し(2次電離)この電離電子がさらに次の電離を引き起こすという電子なだれ現象を生ずる。この状態をガス増幅と言い、最初に生成した電荷量は数千倍にまで増幅されることがある。ここで出力電流は当初の電荷量と比例性を保っていることからこのバイアス電圧範囲を比例領域(図2.2.3-1)と呼び、この範囲で使用される検出器を比例計数管と称する。
図2.2.3-1 バイアス電圧と電離電流の関係
 構造的には、陽極に極細の芯線を用いた同心円筒形状が一般的であり陽極近傍で急激に電界が強くなることを利用して電子なだれを発生させている。
 現在、比例計数管として用いられているのは熱中性子検出用の3He比例計数管、BF3比例計数管が主で、一部にβ線汚染検出用としてQガスやPRガスを用いた大面積のガスフローカウンタが利用されている。
 3He比例計数管の外観例を図2.2.3-2に示す。
図2.2.3-2 3He比例計数管の外観