計測展2013 TOKYO
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ラウンドテーブルセッションプレビュー

こんにちは!伊藤里奈です。
3年目を迎えるのラウンドテーブルセッション。今年は「日本のものづくりの未来」をテーマに各界の著名人をお招きし、熱い議論が繰り広げられます。11月7日のセッションまであと少しとなりましたが、事前登録はお済でしょうか。このコーナーではひと足先に私がパネラーの方々にお会いし、その横顔をご紹介してまいります。本番のセッションをより有意義に聴くために是非ご参考されてください。

伊藤里奈(フリーアナウンサー)テレビ朝日・フジテレビなどでリポーターとして活躍。
2011年・12年の計測展ステージキャスターを担当。



【第1回】濱田 泰以 氏 京都工芸繊維大学大学院教授
【第2回】藤田 俊弘 氏 IDEC株式会社 常務執行役員 技術戦略本部長
【第3回】小平 紀生 氏 日本ロボット学会 会長
【第4回】石隈 徹 氏 JEMIMAエネルギー・低炭素政策委員会 委員長

【第5回】黒田 孝二 氏  大日本印刷株式会社 理事

~印刷現場はナノテクノロジーの宝庫 解き明かせ熟練者の感性~

最後にご紹介するのは、大日本印刷で長年分析を行ってきた黒田孝二さんです。
1970年に入社して以来、液晶ディスプレイや、プリクラ・デジカメプリントを可能にした昇華転写材料、さらには医療分野の尿検査紙まで、ありとあらゆるメディアの研究開発に携わった黒田さんが、89年に社内に創設したのが、中央研究所分析センターです。今やインクが版から紙に転移する速さは1000分の1秒以下と言います。黒田さんはそんな超高速な印刷工程で、材料がどのように変化し、製品を形成していくのかを追跡。3万件以上の分析結果をもとに、あらゆる生産工程の改善に携わりました。
例えばコーヒーに入れるミルク。あのミルクカップの密閉部分にも分析が活かされています。
ふたは衛生上しっかり密閉されないといけませんが、同時にスルリとスムーズに開くことも重要。そのためには高機能な材料が必要で、さらに材料の力を引き出すためのプロセスに非常に細かい条件があることがわかりました。実は0.01ミリにも満たない密閉層に接着力を弱める成分がうまく分散しているのですが、これを作るには、順序を工夫しながら、的確なタイミングで、風を送るとか熱をかけるなどふさわしいエネルギーを与えてあげないと材料の高度な機能が発揮されずに、スルリと開かなくなるといいます。
印刷現場の熟練者は匠です。なんと計測機器でも判明しない材料の微小なコンディションの変化をも、経験からくる手応え勘で感じ取りながら、同時に微妙な調整を行って製品を完璧に完成させるといいます。しかし具体的に、こういう場合はこうしたほうが良いと言えるかというと、熟練者自身もはっきりはわかっていなかったりするそうです。このままでは熟練者のノウハウが次の世代に残りにくく、これまでの様にものづくりが出来なくなる恐れがある。黒田さんは、社内に眠っている本物の宝をすべて見つけ出す思いで研究所を飛び出しました。
そして高度な分析装置である高速度カメラや、サーモグラフィー、微細な物質の表面を深さ方向に観察できるレーザー顕微鏡などを搭載した「移動分析車」を仕立て、生産現場に出動。生産工程、例えばインクが転移する様子を高速度カメラで撮影し、1万分の1秒のインク動きが分かる映像にして現場の技術者に見せました。すると技術者は、見えていたはずのない現象でも長年の勘所から実は感じていて、「やっぱりそうか」と納得するといいます。そして技術者の頭の中だけで立てられていたいくつかの仮説から「だったらこう改善すべき」と策を選び次に進めることができるといいます。黒田さんは、熟練職人のこつや勘所を今の科学ですべて洗い出すことは出来なくても、例えば職人が感性で何かを察知した瞬間を捉えて、実際どんなことが超高速・ナノの世界で起こっているのか、その一部でもサイエンスの力で見ることが出来れば、不十分なデータでもこれを土台にして人間の感性は、経験則や洞察力で補完しながら適切な回答を出し、次のより高い感性に飛躍する能力があると確信されています。黒田さんはこうして工場の技術者と協働で、分析依頼として挙がってきた課題以外にも精力的に取り組み、更なる技術向上と、技術の共有化に努めました。

~日本人のものづくり感性を活かす技術~

今後のものづくりに必要なことは、現場に何が求められるかという新しいインセンティブ(=動機付け)を現場にも分かる形で与え、次世代の人財育成をしつつ、本物の宝を作り上げることだといいます。環境、エネルギー、バイオ、医療、安全安心などの分野に国際化の波が押し寄せ、新しいものづくり技術への転換が期待されている現在、現場の技術者に何が求められているかを実感できる形に翻訳し伝える仕組みづくりと、その翻訳ができる者の育成、さらには、ひとりの人が見つけた宝物を科学の力でみんなに共有し、感性と科学の役割を融合させながら進めることが重要で、その為に現場で課題を見極める力と材料や機械にタイミングの良いリズム感を促してあげられるような感性を育む人材育成も必要だといいます。 日本人は自然と対話する感性に恵まれていて、人を知るようにものの動きを知る感性に恵まれている、現場の感性とマネージマントが一体化すれば、日本独自のものづくりの道が拓ける、黒田さんはそう力説されています。




【第4回】石隈 徹 氏 JEMIMAエネルギー・低炭素政策委員会 委員長

~世界に羽ばたくワールドクラス・サラリーマン~

次にご紹介するのはJEMIMA(一般社団法人日本電気計測器工業会)のエネルギー・低炭素政策委員会で委員長を務める石隈徹さんです。

石隈さんが海外勤務になったのは84年、山武ハネウエル(現在のアズビル)入社3年目のことでした。まだマーケティングという概念が日本に浸透する前、上司からの「本場でマーケティングを学んでこい」という指令のもと米国ハネウエル社に赴任。プラントの制御システム開発において、顧客がこの先10年、20年、どんなことに課題を感じるのか? 半年以上かけありとあらゆる課題を洗い出し、真に顧客の求めるサービスを突き詰めるマーケティングの手法を体得、潜在的に顧客が必要としていた「分散型制御システム」の開発・実現を成功させます。一方で、その後もベルギーに渡り駐在事務所長を経て、ヨーロッパにおける販売元「山武ヨーロッパ」社長を歴任。客も、味方である社員もみんなバラバラの国の外国人という、毎日が異文化コミュニケーションの中で、イタリア人にはユーモアで、ロシア人とはお酒を飲んで意思疎通するというような、海外対応なんでもござれのワールドクラス・サラリーマン石隈が誕生しました。


~天然ガス熱量計の開発~

そんな石隈さんがエネルギーに特に関与することになった仕事というのが90年代後半、ベルギーで山武ヨーロッパの駐在員をされていた頃、フランスのガス会社から1つの相談を受けました。天然ガス熱量計の開発です。当時ヨーロッパのエネルギー供給というと、たくさんのパイプラインが国家間に張り巡らされ、ガスはそこを通って原産地から直接色々な国に届けられ供給されていました。しかしガスには濃淡があり、厳密な熱量ではなく、体積量で取引がされていた為、地域によってエネルギーの値段と価値にばらつきがありました。そのガス会社は、なんとかエネルギー量をきちんと測れる熱量計がほしいと相談したそうです。石隈さんはその声を基に企画・発案し、日本の開発・製造部門と連携してガスの熱量を厳密に測れる熱量計を完成、ヨーロッパにおけるエネルギー供給の基盤を作りました。この時のヨーロッパにおけるエネルギー政策に関与した経験が、帰国後JEMIMAのエネルギー・低炭素政策委員会に参加するきっかけとなります。

~日本の省エネ技術!国際標準化戦略で激走を続けよう~

石隈さんは海外勤務13年の経験を通し、日本の産業部門の省エネ技術は世界トップレベルだと言います。 世界全体ではまだまだエネルギー消費が増えると考えられている中、化石燃料は減少、再生可能エネルギーで補える量もまだ少なく、発電の力は将来の消費量増加に追いつけないとの予想。この厳しいグローバルエネルギー事情を救うには全世界でエネルギーの使用効率向上を推し進める必要があります。


石隈さんはJEMIMAを通じ、IEC(国際電気標準会議)の国際標準化活動に参加。日本の省エネ、エネルギー効率の強みが世界の隅々まで届けられるレール作りを行っています。昨年12月IECに自ら「工場とスマートグリッドのインタフェース」の規格を立案、3か月間の審議を経て承認され、2013年現在、同規格開発の国際会議で議長として世界中を飛び回っています。国際ルールに沿わない形では、せっかくの技術も、それに用いる計測・制御システムも売れなくなります。ノウハウを乗せやすい環境を世界の人々と仲間になりながら作っていくことが大切。石隈さんは今後3年間で世界のスマートグリッドにおける様々な取り決めを先陣切って纏め上げていきます。




【第3回】小平 紀生 氏  日本ロボット学会 会長

~鉄腕アトムがくれた夢 ロボットビジネスを知り尽くす産業ロボマスター~

続いてご紹介するのは、日本ロボット学会会長、三菱電機の小平紀生さんです。
小平さんは三菱電機で産業用ロボットの1号機開発時から、グローバルビジネス化する現在まで研究所勤務に、工場、本社営業と、ロボットビジネスにおいて様々な業務を経験、日本における産業用ロボットの歴史とともに歩んできました。

小学生の頃、鉄腕アトムに夢中だった小平さん。当時自宅の2階に下宿していた東工大院生のお兄さんから直接研究が始まったばかりのロボットの話を聞き「自分もいつかロボットを作りたい!」と強い夢を持ったそうです。
しかし当時は今のようにロボットを製品化している会社はなく、考えた小平さんは「きっと製品化するなら総合電機メーカーだろう」と、大学卒業後の75年に三菱電機へ就職。働きながらチャンスを待ちました。
そして入社3年目、産業用ロボットの製品開発が社内でスタートすると、迷わず当時の上司に手持ちの課題をすべて託し、異動を希望。こうして、いよいよ子供のころから夢見ていたロボット開発がスタートしたのです。社内の誰も経験したことのない開発。小平さんは毎晩の様に夜明けまで研究に没頭しました。
「体力的にきつくても本当にワクワクしていた。技術者として最高に幸せな時だった」と当時を振り返ります。ちなみにその時の手書きの資料は今でも大切に保管されているそうです。
2年かけて完成した渾身の1号機は、今より速度も精度もはるかに劣り、見た目もやたらネジの多い武骨なものでしたが、現在のロボットの基本形はこの時すでに完成されていたといいます。というのも当時のコントローラの能力が低かったため入れられなかった機能も多く、その後の機種で実現していった様々な機能や性能についても実はこの時点でかなり研究が進んでいたからです。ちなみに記者発表の席でついつい開発中の機能についても調子に乗って話しすぎ、後で事業部の方にひどく怒られるというかわいい一面も。

~追い求めるのは、高精度ロボットではなく顧客の目的を満たすロボット~

製品発表後、製品としての充実は事業所の技術陣に任されるそうですが、小平さんは研究所の人間ながらチャレンジ精神旺盛なお客さんからの注文に応えるため、事業所に代わってお客さんと一緒に仕事をすることも多くありました。そんなこともあって92年に研究所から事業所に活躍の場を変えることとなります。そこで初めて小平さんは競合他社との抜きつ抜かれつの高速化競争、仕様と価格の最終提示で勝ったり負けたりを経験。実ビジネスのスリルと達成感を覚えたそうです。そして何よりこれらの経験から、産業用ロボットは、機能・性能の高さに価値があるのではなく、いかに目的に合っているかに価値がある、ということに小平さんは気付きます。
「単なる高速・高精度化が目標ではなく、組立に適した最高のロボットをつくる」小平さんのこの方針が、以後の電気電子分野の組立ロボットで技術を極める三菱電機の源流になっています。
現場の機械工のおじさんから「(ロボットは)文句も言わずよう働いてくれるわ」と嬉しそうに声を掛けられる、こういう瞬間、ロボット事業に携わっていて本当に良かったと感じるのだそうです。

夢や期待が先行しがちなロボットですが、小平さんが目指すのは、地に足の着いた、産業の現場で具体的な成果をあげるロボットです。
ロボット大国を極めてきた日本が、競争の厳しい現在のグローバル市場で今後もロボット大国であり続けるには、やはり群を抜く技術力が不可欠。例えば「一滴も油を使わないロボット」。本当にそんなことが可能なのか、最初は驚きましたが小平さんのお話を聞いていると実現できそうな気がしてきます。
とにかくまず目標を掲げる、そして異業種や、必要なら競合とも力を合わせ、日本の製造業・産業そのものの価値全体を高める様な最高のロボットを追い続けることこそ日本の未来を変えられる、小平さんはそう語ります。





【第2回】藤田 俊弘 氏 IDEC株式会社 常務執行役員 技術戦略本部長

~国際標準化により、世界シェア90%を実現~

今回ご紹介するパネラーは国際標準化という舞台で日本をけん引するIDEC常務執行役員の藤田俊弘さんです。
産業向け制御機器を中心に、長年、安全を重視した研究開発を推進してきた藤田さん。14~15年前までは、国際標準化に関してまだまだ素人だったといいますが、経済産業省や日本規格協会の支援もあって、ある安全装置のIEC規格の提案と創成に成功しました。
その装置とは産業用ロボットの操作端末に搭載される
「3ポジションイネーブルスイッチ」。


通常スイッチというと、キーボードのスイッチのようにボタンを押すとONになり、指を離すとOFFになる2ポジション構造なのに対し、3ポジションスイッチは、まず1段押した状態でONになり、放すとOFFになるのに加え、放さずもう一段深く握りしめた場合もOFFになる3段階の構造となっています。これだとロボットアームに動作を覚えさせる作業をしている際、操作ミスで予期せぬ事態が起こってしまって作業者がぱっと手を放しても、逆に強く握り込んでも、どちらでもロボットを停止させ危険が回避できるというわけです。実際、このスイッチの搭載により、現場の作業者の安全性は飛躍的に高まったといいます。
欧米のエキスパートたちとの審議を経て、見事2006年IEC(国際電気標準会議)にて国際規格化に成功。その後もロボットメーカーとの討議や、長時間使用できる使い心地も研究した結果、現在、世界中のほとんどのロボットメーカーの操作端末に使用され、グローバル市場で推定シェア90%を占有する主力製品となっています。

~プレーだけに専念するな!日本人よコースを創れ!!~

グローバル社会では国際規格づくりを制したものが市場を制する、と強く話す藤田さん。そのベースにあるのは成功体験だけではありません。IDECの主力だった25mmφ押しボタンスイッチは、IEC規格化されなかったことで売り上げがどんどん減少したといいます。規格外になった理由は、性能などではなく、取り付け穴寸法を審議する国際標準化の会議にただ参加していなかったから。民間企業でも自ら国際標準づくりに参加できることを知ったのはその後でした。藤田さんは悔しい思いと同時に、規格から外れるとどんな良い製品でも市場から消されてしまうという恐ろしさを痛感したのです。これが、藤田さんの人生の分岐点となる失敗体験で、それからは戦略的な国際標準化とは何か、を考えるようになりました。

藤田さんはよく、製品開発やものづくりをゴルフのプレーに、国際標準化をゴルフコースの設計、知的財産をバンカーに例えられます。日本人はレッスン場にもこまめに通ってゴルフプレーの腕は磨くが、ゴルフコースの設計は海外の専門家に任せてしまう。コースを自分で設計すれば、持ち球を活かし自ら優位につくることができる。グリーン上のパターのラインもわかります。逆に海外のライバルたちが自社や自国に優位なコースをどんどん作ろうとしている中、コースづくりに参加しなければ、いくらプレーの腕を上げても試合に勝つことはできない、という発想です。藤田さんは研究開発、知的財産の開発、そして国際標準化の三位一体による新しいゴルフコースづくりを自ら行うことで、新しい事業構築と産業の発展が期待できるといいます。
負けと勝ち、両方を味わった藤田さんだからこそ主張します。日本人よコースを創れ!そして日本発の事業を起こせ!





【第1回】濱田 泰以 氏 京都工芸繊維大学大学院教授

~匠の技をサイエンス!「暗黙知」を「形式知」へ~

まず一人目のパネラーは京都工芸繊維大学の濱田泰以教授です。
濱田教授は、京弓、京壁、京提灯など、京都の伝統工芸の熟練職人の動きを科学の力で数値化し、コツや勘、見極めといった「暗黙知」を誰でもわかるような「形式知」に置き換え、伝承する研究をしています。

職人の世界では、技は見て盗むものと言います。
でも10年15年と長い年月の修行を持ってしても熟練職人の技にはかなわない事が多く、後継者問題とともに熟練職人の引退によって長年続いてきた伝統技法が日本から失われる現状に。
そこに一石を投じたのが濱田教授です。同大学内に伝統みらい教育研究センターを開き、これまで数々の職人の暗黙知を形式知化することに成功してきました。

例えば京都の湯豆腐、この湯豆腐をお湯からすくう金網にさえも、熟練職人の手によるものとそうでないものとに大きな差が生まれます。弟子の作った金網では豆腐に網の跡がつく。
お湯がうまく切れず、器に盛る時水っぽくなってしまう。師匠の湯豆腐すくいはどこが違うのか。
濱田教授は高速カメラを使って湯豆腐をすくい上げる様子を撮影。すると師匠のすくいの場合、豆腐をすくう瞬間、ふわりと豆腐がバウンドしていたことが判明しました。
さらに調べると師匠のすくいの方が網に丸みがあることがわかりました。

様々な伝統工芸において師匠と弟子との間に生まれる大きな差は、腰の動かし方、わきの閉め方、瞬きの回数など、本人達も気づかない些細なところに隠れている事が多く、濱田教授に動画や波形などで指摘されることで、足りなかった重要なポイントが見えてくるのです。「形式知化によって10年かかっていた修行が5年くらいになってくれれば嬉しい」濱田教授は笑顔で話します。


~楽しい会社が良いものを作る~

叔父が社長、父が工場長を務める町工場、それが濱田教授の幼少の頃の遊び場でした。
ボーナスの日は必ず工員全員で酒盛り、みんな家族ぐるみの付き合いで、一人っ子の濱田教授にとって一緒にわいわい盛り上がったり、夜遅くまで手伝ったりした事は楽しい思い出です。
従業員の誰もが会社のため労を惜しまなかった、自分たちの仕事に誇りを持っていたと言います。
濱田教授の研究の根本には幼少期を一緒に過ごした大好きなものづくりのおじさん達がすごいと認められる世の中にしたいという思いがあります。彼らしか知らないノウハウの存在を形式知化する事で、彼らの技術の高さを明らかにしたい。
技術者が町のヒーローになれば、誇りが戻り力が発揮される。ヒーローを志す若者も出てくるだろうと。

濱田教授は、日本で生み出される製品は「高品位」であるべきと言います。
高品位とは、人に愛されて、もう一度使いたい、人に勧めたいと思う感性に響く良いもの。
伝統産業から生み出される工芸品はまさに高品位であり、その輝きを日本の製品に取り入れることで、ただ性能が高いだけでなく、その上をいく世界が認める製品を作ることができる。
感性に訴える高品位なものづくり、それがこれからの日本を支えるはずであると濱田教授は話します。